約40,000年前、日本列島にホモ・サピエンスが海を渡り移ってきました。それから、土器が出現する縄文時代の幕開け(約16,000年前)までを後期旧石器時代と呼びます。石器は、狩猟や生活の場で使用されますが、酸性土壌のため骨角器や木器などの有機質遺物が残りにくい日本では、当該期の人類の痕跡を示す唯一ともいえる資料です。そのため、旧石器時代を暮らした人々の歴史は、遺跡に残された石器の石材産地推定や理化学分析などによって、石の移動や人の移動を復原することができます。早稲田大学の校地内遺跡からも、様々な時期の旧石器時代資料が出土しており、整理・研究が進められています。例えば、後期旧石器時代前半期に特徴的な局部磨製石斧は、現在の所沢キャンパスの地下に眠るお伊勢山遺跡から、多様な形態のナイフ形石器や角錐状石器を中心とする後期旧石器時代後半期の資料は、現在の中央図書館の地下に所在した下戸塚遺跡から出土しました。また、小さな石をも加工する技術を駆使した「砂川期」の石器も宮林遺跡(所沢キャンパス)から出土しています。本展覧会では、校地内遺跡から出土した石器資料や、石器を製作するための石材サンプル資料に焦点を当てます。その上で、旧石器時代に暮らした人々が、どのように石材を獲得し、また狩猟や生活に使用したのか、その行動原理がどのような変遷を遂げたのかについて考えていきます。「小さな石」とあなどることなかれ。石と向き合うことで、旧石器人を感じ取れるかも⁉
期間 | 2023年09月28日10時00分~2023年11月12日17時00分 |
場所 | 東京都新宿区 早稲田大学會津八一記念博物館 |
URL | https://www.waseda.jp/culture/aizu-museum/news/2023/07/07/6279/ |